第一章

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沖田さんは敷き終わっていた布団の上に座る。 そこで、一つ忘れていた事を言う。 「沖田さん、お願いがあるのですが…」 「お願い?」 沖田さんが聞き返し、私は頷く。 「何があっても、刀を持ち歩かないで下さい。絶対に、人を斬らないで下さい」 予想通り、沖田さんは目を丸くした。 「両方とも法に障ります」 「法?」 「法律です。法度と考えて下さい」 沖田さんは難しい顔をする。 「人を斬るなっていうのは分かるけど…」 「分かっています。刀は武士の魂ですものね」 「…別に、武士なんて立派な者ではないけどさ」 困惑の表情を浮かべる沖田さんに、私は頭を下げた。 「お願いです。銃刀法違反で捕まってしまいます。お願いします」 「わあぁぁっ!止めてよ、分かったから」 土下座に近かった私の体を、沖田さんは肩を掴んで起こさせた。 そして、二本の刀を私へ差し出した。 「仕舞っておいて、くれる?」 「分かりました。ありがとうございます」 私は刀を受け取って頭を下げた。 その後、沖田さんは布団に、私はベッドに入り、眠りについた。 .
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