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「なあミキ。もしおれが先に死んだら、遺骨の半分は、山か川にでもまいてくれないか?」
「はぁ?なんでそんなとこにまくの?山登りの趣味でもあったっけ?」
「死んだら自然に帰りたいんだよ。地球の一部になって、ぐるぐる巡ってたいなって思うわけ。だから、自然がたくさんあればどこでもいいんだけどさ」
「あんたらしいといえば、あんたらしいわね。じゃあ、なんで全部じゃないわけ?」
「だって、ミキが会いに来てくれなきゃ淋しいじゃん。だから、半分はお墓でミキを待つのだ。」
「なにそれ。私がお墓参りに行くとは限らないじゃん」
「あっ、つめてーなぁ。会いに来てくれよー。」
「っていうか、どんだけ先の話をしてるのよ。私達、まだ21よ?そういうのはもうちょっと年をとってからにしてよね」
なんて笑い合ったあの日。
ただの冗談のはずだった。
お互いに、本気で、まだ先の話だと思ってた。
まだまだやってこない、遠い未来だと。
22歳の誕生日を迎える日までは…
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