プロローグ『そんなことって……』

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何はともあれ、消しゴムのお陰で僕は大学に受かりました。合格の発表の時に高崎さんを見つけ、胸が跳ねたのは今でもはっきり覚えています。 こういう性格のせいか、優しい女の子に惚れやすいみたいです。逆に苦手なのはギャル系です。割と頑張って入学したというのに、どんなところにもいるもので、うちの大学には沢山のギャルがいます。 あの手の人は攻撃的なので、恐ろしいです……。 話は戻りますが、僕は高崎さんが好きです。おこがましいことですが……。その高崎さんは先程の通り、凄い人で、絶大な人気を誇っています。 準ミスキャンパスの高田薫さんを持ってしても及ばない、破竹の人気です。当然彼女を狙う人間は多いのですが、不思議なことに、彼氏はいないと言われていました。 事実は知りませんが、浮いた話は聞いたことがありませんでした。 これはチャンス! 何てことを考える僕ではありません。身の程は重々弁えております。僕の様な雑多に紛れる一市民が、彼女の様な高嶺過ぎる花を採れるわけがありませんから。 織田信長がアイススケートをやるくらい無茶な話です。想いを抱いていても、どうこうするつもりはなく、それだけで良かったのです。想うだけで。 しかし! 驚天動地で、前代未聞で、空前絶後な出来事が起こりました! ある昼休み、高崎千里さんに呼び出され、告白を受けたのです! 僕の頭がおかしくなり、妄想を声に出して発表しているわけではありません。僕は一応大丈夫な人間です。
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