深夜の電話の問題

4/12
152人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
「ああ、わしだ」  受話器から、夫の声が轟く。 「あら、どうかしたんですか?」  絹江はその声の以外な主に驚きの声を挙げた。太一がこんな時間に電話をしてくることなど異例なことだからだ。太一は以前から自分自身を古い人間だと半ば自負するように豪語しており、電話で妻に用もなく連絡をすることなどは恥だと思う人種だった。そのため、絹江にしても何か問題が起こったのだろうか? と不安を感じたとしても無理のない話だった。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!