脅迫状の問題

7/7
152人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
 絹江がライターについて、意識を奪われている間に炎は紙を飲み込んでいく。太一はすでに半分近く失われているそれを灰皿に捨てると、くだらん、と言い捨て、部屋を出て行った。  後に残された絹江はゆっくりと燃えていくその紙を、恐ろしい物でも見るかのように眺めていたが、その火を消そうとは思えなかった。  絹江は部屋の窓を開け、煙が外へ流れていく様子をただただ眺めていた。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!