思い出

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彼からのキスが嬉しくないわけじゃない。   少し荒くなった息を整えて彼は無言で車を走らせた。    着いた先は真新しいアパートだった。     『俺のうち。とりあえず入って』     車から降りた私は彼が開けたドアの中に入り、今まで知らなかった彼の生活空間へと足を踏み入れた。     私ももう大人だ。 この後どうなるかくらいは想像できた。     『俺の気持ち、わからないわけじゃないだろ?でも付き合えない。終わりを迎えるなんて考えたくもないんだ』     そういって彼は私に感情をぶつけるかのようなキスをした。   あまりの勢いに足元がぐらつく。     後ろにあったのがベッドだとわかると私は足元に少しの安心感を感じ倒れこむかのように、互いの感情を爆発させるかのように体を重ねた。      何度も何度も……
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