思い出

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あれからどれくらい経っただろう。     気付いたら露出の多い服を着る季節になっていた。     ‘付き合っていない、でも体をの関係はある’状態は続いていた。     『今日は少し外に出ないか?』   彼の言葉に快く外出の用意をする私。     街での買い物をして夕方には少し散歩がてら人気の少ない公園に入った。     『なぁ』   『ん?』   オレンジ色の空が少しだけ淋しさを感じさせる。     『俺たち、少なくとも毎週会って体の関係もあるわけだろ?それって付き合ってることと同じだよな?』     『そうだね』     何を今更?と少し呆れながら空を見上げた。       『留衣、俺で良かったら付き合ってもらえないか?』        あまりの予想もできなかった言葉に私は固まってしまった。     『俺さ、留衣と恋人になりたいって……恋人としてることは一緒だろ?だから留衣とならやっていけそうだって思ったんだ』
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