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まだ息も荒いまま横たわる二人。
『シャワー借りるね』
『あぁ』
もう限界だった。
何もかも水に流したかったから私は……シャワーの中で声を押し殺して泣いた。
シャワーから上がると彼が『今日お祭りやってるから行かないかい?』と誘ってくる。
拍子抜けした私の顔にキスを落としてズルい顔で『なにその顔』と笑った。
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お祭り会場には沢山の人が溢れていて屋台は大にぎわい。
二人で一緒に食べたフライドポテト。
『留衣に好きな人ができるまで傍にいてあげるよ』
笑顔だった私の顔は無表情になっていった。
『またどっかでお祭りあったら行こうな』
‘また’とか‘今度’なんて、こういう状態の二人には存在しない。
『そうだね。アハハッ…私に好きな人が出来るの、数年後かもよ?』
『アハハッ…それまで待つよ』
そんな約束なんて傷が深くなるだけだからイラナイ。
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