思い出

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まだ息も荒いまま横たわる二人。     『シャワー借りるね』   『あぁ』     もう限界だった。 何もかも水に流したかったから私は……シャワーの中で声を押し殺して泣いた。    シャワーから上がると彼が『今日お祭りやってるから行かないかい?』と誘ってくる。     拍子抜けした私の顔にキスを落としてズルい顔で『なにその顔』と笑った。     ********   お祭り会場には沢山の人が溢れていて屋台は大にぎわい。     二人で一緒に食べたフライドポテト。     『留衣に好きな人ができるまで傍にいてあげるよ』     笑顔だった私の顔は無表情になっていった。     『またどっかでお祭りあったら行こうな』     ‘また’とか‘今度’なんて、こういう状態の二人には存在しない。     『そうだね。アハハッ…私に好きな人が出来るの、数年後かもよ?』   『アハハッ…それまで待つよ』    そんな約束なんて傷が深くなるだけだからイラナイ。
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