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微かに聞こえる私を呼ぶ声に少しだけ目を開けた。
そこにいたのは上司で心配そうに私を見ていた。
『吉田さん…』
『あ…良かった!目を覚ました!』
深くため息をついてしゃがみこむ吉田さんを見て段々記憶が蘇ってくる。
あ…私職場で倒れたんだ…
キョロキョロとする私の行動を見計らったかのように吉田さんはクスッと笑った。
『医務室だよ。君倒れたんだ』
そうだった。体調を悪くして……
『大丈夫か?まだ体調が悪いみたいだぞ?』
顔を覗き込まれ『大丈夫です』と大丈夫じゃないのに口にしていた。
一人にはなりたくなかったから…
人込みの中にいると私の辛さも中和されると感じたから。
『そんな顔色してお客様の前に立つなんて許さないよ?今日は帰った方が良い…』
『嫌です!』
心配した吉田さんの言葉を最後まで聞かずに出た本音。
吉田さんはチラッと時計を見た。
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