思い出

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『ゆっくり話を聞いてあげるよ。言いたい事言ってスッキリして仕事してくれ。…っと、誰もいなくて落ち着いて話せる場所となると家なんだが…やっぱりさすがにマズイよな……カフェでも行くか?』      紳士的な優しさを感じ、大人だなと思った。     『吉田さんの家でいいです』     自分が何を言ってるのか…軽い女だと思われただろう。     『……じゃぁうちに行くか』     もうどうでもいいと感じていた。   吉田さんとそういう事になっても…忘れる事が出来るなら良いと思った。     車はあるマンションの駐車場で止まり、吉田さんが助手席のドアをあけてくれた。     『さ、おいで』   促されるままに吉田さんの後をついていき、エレベータに乗り込んだ。   エレベータは最上階で止まり吉田さんが降りて次に私が降りた。     カードキーを差し込んで重そうな扉を開き『どうぞ』と声をかける。     ものすごい広い玄関に呆気にとられた。
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