思い出

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大きなリビングにお洒落なソファーとテーブル。     『座ってて』     指をさされた先にあったソファーに腰を下ろした。     うわぁ…フカフカだ…     しばらくして吉田さんがマグカップを片手に持ってきた。     『落ち着いたか?』   差し出されたカップにはホットミルク。     『はい』     温かい…心まであたためてくれそう…     『んで、何があったんだ?』     私は湯気の立つカップに口をつけ一口ミルクを飲んでからゆっくりと和也との事を話した。       *******     『やっぱり恋愛絡みか……』   呆れた顔をする吉田さんを見て話した事に少し後悔をしてしまった。     『てか、バツイチが汚いって……悪いけど君の彼氏は人としてどうかと思うよ』    真剣な顔で私を見る瞳は茶色くて吸い込まれそうになる。     『少なくとも今の君を見ていないんじゃないか?もし、俺なら過去を塗り潰すくらい自分が幸せにしたいって思うけどな』     ‘もし’は実際には起こり得ない事。
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