思い出

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『もし……か…』   『もしってのは例えだよ。俺は君の彼氏じゃないし、付き合ってもいないわけだから何も出来ないからな』     正にその通り。   『俺も若い頃は彼女がいて大切にしているつもりでもお互いの我慢が不満につながって爆発してうまくいかなくなって別れたこともあったなぁ』     吉田さんでも?     『だから自分が変わらなきゃいけないと思って努力してさ、気付けばこんな年までなっていたわけ』     自分を指さして少し呆れたように笑う吉田さん。     『だから今回の彼氏は君にふさわしくなかった、運命の人ではなかったって事じゃないかな?いくら互いに好きでもダメな時はダメなんだよ。傷ついて立ち直れないように今は思えるかもしれないけど時間が解決してくれるから大丈夫』     やけに説得力のある吉田さんの話に夢中になってしまった。     『失恋は新しい恋をすると忘れる事が出来るって言うけど焦ってしまったら忘れるどころか比べてしまうから自分の気持ちが落ち着いてからゆっくりで良いんじゃないかな?今の君なら誰かに寄り掛かりたい気持ちもあるかもしれないけど、そこは自分に厳しくな』    
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