過去の記憶

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彼と初めて会ったのは1月の終わりだった。   電話やメールで彼に惹かれる部分は多く、会うことに対して不安より期待が大きかった。     **********   待ち合わせ場所に先に着いたのは私。   待ち合わせ場所に選んだのは大手ホームセンターの駐車場だった。     プルルルッ…   いきなり音を立てた電話に目を向けると彼の名前が浮かびだす。     『もしもし?』   少し待って通話ボタンを押した。     『もしもし?ごめんね、遅くなった。今着いたからね?どこにいるの?』     声からして優しい雰囲気。    『お疲れさまです。今わかりやすい場所に移動しますね!あ……入り口に移動します』     なんとも無愛想な言葉を添えて私は車から降りて入り口に移動した。       ドキドキが止まらない。 会える楽しみと少しの不安を抱えながら冬の寒さに身を縮めこんだ。
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