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ふと気付くとあの少女が目の前に立っていた。いきなり一郎の前に現れたのだ。
再度一郎の体は脳の命令を無視し身動きができなくなる。
少女は体を一郎の正面に向けたまま、夜航する船を守る灯台のように首をゆっくりと1回転させた。
少女は部屋にある一郎のテニスラケットを拾い、一郎の前に突き出した。一郎がおそるおそる手を伸ばしラケットのグリップを握る。少女はおもむろに口を開き、断末魔のごとく擦れた低い声で、するよと言った。
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