壁打ち

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ふと、風の音に混じって聞きなれた音がすることに一郎は気づく。 ラケットがテニスボールを叩きつけるインパクト音、そしてボールがコンクリートに当たる乾いた音、ボールがアスファルトを叩く比較的湿った音、誰かが壁打ちをしている。 時刻はそろそろ真夜中というのに、この強風の中、熱心な人だなと一郎は思った。
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