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駐車場に近づくとともに壁打ちの音も徐々にはっきりとしてきた。この時点で見えない選手のプレイスタイルよりも、どんな人間なのかに一郎の興味の比重は置かれていた。
駐車場は小学校の校庭ほどの広さがあり、1方が高さ約3メートルのコンクリートの壁になっている。壁の上には中規模マンションが佇む。3方は入口以外を高さ約2メートルの金網で覆われている。
一郎は金網越しに駐車場内を見渡した。一郎の位置から20メートルほど離れたところにちょうどテニスコート1面分くらい駐車されていないスペースがあり、そこで見えないプレイヤーが壁打ちをしているはずだった。
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