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「凪、疲れただろう部屋に行ってなさい。」
凪の父親は、凪に話を聞かせたくないのか、部屋へ行くよう促した。
「さて、支倉さんだったな。
ワシの名は、貴桜院 厳だ。
今回は息子を助けて貰い感謝する。
……それで、わざわざワシに用ということは、謝礼の事だろう?」
厳は、真剣な表情で謝辞を述べると、顔を一変しうんざりした表情でため息混じりに言った。
「一体いくら欲しい?
家を見れば分かるだろうが、多い金額でも払えるぞ。」
「違いんす!お金やねぇんす。」
厳は、一瞬、言葉遣いに驚いたがすぐさま言葉を返した。
「お金じゃない?ならば何が欲しいんだ?」
「欲しいもんがあるわけではありんせん。
家出をしてるゆえ一晩だけでも泊めて欲しいんでありんす。」
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