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(す、すっげぇ~
簡単に兎、狩っちゃったよぉ)
少年は目を丸くしながら、ダリルを見ているのだった。
ダリルは、ようやくく小川へ着く。
そこで、腰に付けた革製の水筒を外し、水を汲む。
少し喉を潤した後、沢蟹や川海老、小魚を取る。
終えると、兎の解体を行うのだった。
小川の川岸にある平らな石の上へ、枯れ草と木の枝を乗せる。
そしてそれへ、ティンダーボックスで火を付けた。
次に枝を組んで焚き火を作り、木の枝に刺した兎を焼き始めるのだった。
暫くして、石の上の火を除ける。
続けて沢蟹と川海老、小魚を乗せて焼き始めた。
ダリルの今日の食事である。
ダリルの様子を見ていた少年が、羨ましそうにそれを見ている。
ダリルは無視して、焼けた食材を食べ始めた。
薄情と思わないで頂きたい。
ダリルも生きるのが精一杯なのである。
他人に施す余裕など、ある筈もないのであるから…
少年は荷物から干し肉を取り出して齧っている。
育ち盛りの彼にとっては、その食事では辛いであろう。
しかし自分で、どうにかするしかないのである。
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