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まだ、日が落ちるまでは時間がある。
ダリルは火を消すと、沼の方まで足を伸ばす。
沼へ着くと、目当ての獲物がいた。
沼に生息する大蜥蜴である。
この獲物を狩るのは、兎など比較にならない難易度である。
しかし、その肉は美味で、皮や爪、牙、骨に至るまで、素材として人気がある。
そして何よりも、水晶石を身に宿している場合があるのだ。
但し、警戒心が強く、お目に掛かる機会は少ない。
動きも早く、顎の力、腕力、脚力も強い。
その尻尾も脅威である。
ダリルは、採取した茸と木の実を擂り潰す。
7本の矢と剣に、それを万遍無く塗しているようだ。
作業を終えたダリルは、矢を大蜥蜴に射る。
矢は蜥蜴の目に突き刺さった。
蜥蜴が気付き、ダリルへ突進してくる。
ダリルは次々に矢を射る。
7本の矢は、全て蜥蜴に突き刺さった。
蜥蜴の動きが鈍る。
毒により体が痺れてきているのである。
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