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「他の者は、やったことないだろうな。
だいたい、付与師と放術師が、揃うことじたい稀だろう。
だから、前例がないから、できないとは言えないだろ。
どんなことにも、最初がある。
初めて行った者が、いるんだよ。
試してみる価値は、あるだろ」
「そうだね。
試してみようか」
2人のやり取りを、黙って聞いていたロゼッタが言う。
「それができるんだったら、凄いことだよ。
この炉は、特殊で高価なんだ。
だけど、晶石を使い切ると塵扱いさ。
それがリサイクルできるなら、助かるねぇ。
この炉はねぇ。
破棄寸前だったんだよ。
それを、只同然で引き取ったんだ。
炉の仕組みが知りたくてねぇ。
そのためだけに、引き取ったんだけど…。
得したかもねぇ」
嬉しそうに言う。
「良し。
物は試しだ。
やるか」
そう言うと、腰に下げていた袋から、火晶石と風晶石を取り出す。
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