ハント1

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その寒村は貧乏な人々が多く住む村であった。 貧乏人の子沢山と言う言葉がある。 その言葉のように、村には多くの子供達がいる。 但し、大人まで成長できるのは、一握りであるが… 若者達は、一定以上成長すると村から出て行く。 村では生活できないからだ。 町へ働きに出掛ける者、行商人になる者など様々である。 しかし、伝の無い者達の大半は、流れ者のハンターとなり生活していくこととなる。 だが、その過酷な生活に耐えられる者は、僅かであるが… そして今日も1人の若者が、村を旅立とうとしている。 彼の名はダリルと言う。 15人兄弟の8男である。 長男は家を継ぐ為、畑仕事を手伝っている。 次男は狩人として、3男は漁師として、家計を助けている。 7男以外の者達は町へ働きに出ている。 7男は既に旅に出た。 もう働き先が無いのだ。 ダリルも、直ぐ上の兄が旅に出ざる負えない状態を見て、覚悟はしていた。
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