30455人が本棚に入れています
本棚に追加
その寒村は貧乏な人々が多く住む村であった。
貧乏人の子沢山と言う言葉がある。
その言葉のように、村には多くの子供達がいる。
但し、大人まで成長できるのは、一握りであるが…
若者達は、一定以上成長すると村から出て行く。
村では生活できないからだ。
町へ働きに出掛ける者、行商人になる者など様々である。
しかし、伝の無い者達の大半は、流れ者のハンターとなり生活していくこととなる。
だが、その過酷な生活に耐えられる者は、僅かであるが…
そして今日も1人の若者が、村を旅立とうとしている。
彼の名はダリルと言う。
15人兄弟の8男である。
長男は家を継ぐ為、畑仕事を手伝っている。
次男は狩人として、3男は漁師として、家計を助けている。
7男以外の者達は町へ働きに出ている。
7男は既に旅に出た。
もう働き先が無いのだ。
ダリルも、直ぐ上の兄が旅に出ざる負えない状態を見て、覚悟はしていた。
最初のコメントを投稿しよう!