ハント11

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ダリルは、感で火球を再度放つ。 "ド、ドド、ドドドッドォォッ" 【グギァァァァッ】 爆音と叫び声。 だが、プレッシャーは、なくならない。 前方は、爆撃で吹き飛ばされている。 砂煙が収まり、視界が開けた。 そこには… ヴォルトルスがいた。 ヴォルトルス。 それは、巨狼。 (どれほどの大きさか?)と、問われれば、ワンボックスカーほどであろう。 ただ、ベースは狼でも、明らかに違う。 尻尾は3本。 長く硬い。 鋼糸を編み込んだ鞭のような尾である。 両肩からも、鞭のような触手が伸びる。 こちらは、さほど硬くはなさそうだ。 その代わり、皮の鞭のようにしなっている。 それを手の代わりとし、物を持てるようだ。 折れた木を、棍棒代わりに持っている。 先ほどの攻撃が当たったのか、片方は失われていた。 途中から、千切れている。 前足と胸も傷付いていた。 風炎石の爆炎による成果であろう。 だが、その動きは、まだまだ軽やかだ。 たいしたダメージでは、無いのであろう。 ダリルは、晶石を袋へ仕舞った。 ロゼッタとファマルは気にもしない。 ヴォルトルスを注視して、目を離さない。 カリンも弓を手に、緊張しながら隙を伺っている。 「なんで、晶石を?」 「ヤツが素早く、当らん。  それより、油断するな。  死ぬぞ」 ダリルは、ヴォルトルスから目を離さない。 短く告げた。
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