ハント11

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不味い状態だ。 相手が、先に察知してしまっている。 こちらの体制が、整っていない。 先制攻撃を免れたのは、カリンの能力のおかげだ。 逆に、先手を取れた。 だが、ヴォルトルスは素早く、反応速度も高い。 ヤツの油断により、初撃は当たった。 だが、今のヤツには、油断がない。 晶石での攻撃は、当たらないであろう。 風晶石の攻撃では、ダメージは期待できない。 スピードとダメージが期待できるとしたら、火晶石だろう。 だが、火晶石では、火事のおそれがある。 風炎石の爆撃でも、その危険はある。 しかし、直接炙るのではない。 生木は、容易く燃えないし、爆風で消えていた。 ただ、火事の危険はある。 なるべく使わないほうが、良いであろう。 つまり、晶石での攻撃は、行えないわけだ。 (弓での攻撃も、駄目だろうな)と、ダリルは予測する。 (肩から、ゆらゆらと動いている触手に、弾かれてしまうだろう)、そう思えるのだ。 ダリルはグレートソードを、左斜め下へ構える。 そのまま引き摺るように、ヴォルトルスへ走り寄る。 ロゼッタとファマルは、ダリルに気付く。 フォローができる位置と距離を保つ。 そして、そのまま移動だ。 カリンは位置を変え、矢を放つ隙を探る。 シムエルも弓に矢を番える。 そして、移動を始めた。 ガンレートは、3人の後方へ移動。 支援可能な距離を、保っている。 ヴォルトルスは、接近するダリルへ反応。 素早く、前足を振り下した。 まるで、じゃれているようだ。 その一撃は、凄まじい威力を秘めている。 だが…
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