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ダリルが暫く移動していると、ロウムのテリトリーから1人の少年が走り出して来た。
「助かった!!
そこの人ぉ!
助けてぇ~」
「無理」
「えっ!
何でぇ~!?」
「お前はロウムの縄張りに侵入した。
そしてロウムに追われている。
そんなお前を助けたら、村が襲撃される。
助かりたかったら、ロウムに食料を投げ渡すんだな。
そうしたら、許して貰えるかもな。
但しだ。
ロウムに危害を加えていたらば、覚悟を決める事だ」
ダリルはそう告げる。
すると少年は、慌てて荷物から干し肉などの食料を取り出す。
ロウムは、ダリルが居るからか、警戒して遠巻きに伺っている。
そのロウムへ少年は、食料を投げ渡す。
ロウム達はそれを咥えると、森の奥に帰って行くのだった。
「運が良いな、おまえ。
ロウムのテリトリーに入って、無事に出て来れるとはな」
「ロウムのテリトリーって、何だよ?
そんな話、初めて知ったぜ」
不思議そうである。
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