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「あ!
兄貴!
待ってくれ!」
ダリルは気付かずに行こうとする。
少年はダリルの前に来ると、頭を下げて言う。
「兄貴!
オイラを連れて行ってくれよ」
ダリルは不思議な物を見るような顔で、少年を見る。
(何なんだ…
この生き物は?)
ダリルの正直な感想である。
「俺は、おまえのような弟を、持った覚えはないぞ?」
そう告げると行こうとする。
「まっ、待って、てばぁ。
オイラを舎弟にしてくれよぉ」
「はぁっ?」
正直、ダリルには迷惑である。
自分の食い扶持を確保しなければならないのに、こんなことで時間を潰したくない。
「悪いが、他をあたってくれ。
俺は今日の食い扶持を探さないとならないから、忙しいんだよ」
そう言って行こうとする。
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