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「あっ!
ほ、ほら。
干し肉分けるからさぁ。
連れてってくれよぉ~」
そう言って荷物から干し肉を出し、ダリルへ差し出す。
ダリルが呆れて言う。
「おまえ、変な奴だな。
何で俺に、ついて行きたいんだ?」
「ロウムを見て動じない度胸に惚れました。
さぞ、お強いんでしょうねぇ」
何か勘違いしているようである。
「俺は村人だから襲われない。
それを知っていただけだ。
俺は今日から村を出て旅人になった。
それ故、ギルドにもまだ未加入だ。
また、強くも無い。
それでも、大事な食料を差し出しても良いのか」
少年の顔が少し引き攣る。
「じゃぁな。
俺はもう行くぞ」
そう言って歩き始めるのだった。
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