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「家に帰りたくないな……」
あんな家に帰りたくない。
お母さんに会いたくない。
そんな思いからか、私はいつも塾の帰りには公園に立ち寄るようになっていた。
昼間は子供たちでにぎわっているこの公園も、夜になると何だか寂しい。
よし、今日も公園に行こう。
そう思い、私は公園に入ってブランコに腰掛けた。
ふう、と息をはいて空を見上げると
「月、綺麗だな」
今まで何とも思わなかった月が、不思議と輝いて見えた。
誰もいない、誰にも支配されない私だけの世界。
私はこの空間が一番好きだった。
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