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「確かに今日の月は綺麗だね」
後ろから声が聞こえた。
人の気配なんて感じてないのに…
恐る恐る振り向くと
「こんにちは。いや、こんばんはだね」
スーツにシルクハットをかぶった男の人が立っていた。
顔は暗くてよく見えない。
「あ…あなたは…誰ですか?」
私の声は震えていた。
だってこんな時間に知らない人と会うのは怖かったから。
私の気持ちを察したのか、彼はクスッと笑って言った。
「そんなに怯えないで。
僕はね……
ピエロ、かな」
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