PIERROT

4/11
前へ
/11ページ
次へ
「確かに今日の月は綺麗だね」 後ろから声が聞こえた。 人の気配なんて感じてないのに… 恐る恐る振り向くと 「こんにちは。いや、こんばんはだね」 スーツにシルクハットをかぶった男の人が立っていた。 顔は暗くてよく見えない。 「あ…あなたは…誰ですか?」 私の声は震えていた。 だってこんな時間に知らない人と会うのは怖かったから。 私の気持ちを察したのか、彼はクスッと笑って言った。 「そんなに怯えないで。 僕はね…… ピエロ、かな」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加