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「私はどうしたらいいの?」
私はお母さんに生かされている。
自分の意思が存在しないのに、生きているなんて言えないもの。
「私は一生このままなの……?」
やばい、泣きそう。
私は涙をこらえようと俯いて目を閉じた。
それでも涙は頬を伝う。
何かが私の頬に触れた。
確かめるために目を開けると…
「苦しかったね」
彼が私の頬に手をあてていた。
涙が手袋に染みを作る。
「君はもう我慢しなくていい。泣くことも、生きることも」
彼の言葉は優しくて、温かくて、私の心を支配していた鎖は消えていった。
私は泣いた。
彼にすがりついて思いきり泣いた。
まるで今までの埋め合わせをするように涙は溢れて、止まらなかった。
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