俺の唄

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あの月を初めて見たのは中学校に入ってからすぐだった その日は入ったばっかりでこれからの楽しみを予想しながら浮かれていて まったく眠る事ができなかった 気付いたら、もうすぐ時計の針が0時を回ろうとしていた 俺は焦っていた 小さい頃から親には深夜0時になるまでには絶対に寝なさいとほぼ毎日のように聞かされていたからだ 時には、“少しくらいの夜更かしさせてくれよ”と反論したこともあったが親に“馬鹿! 早く死にたいのか!?”と近所にも聞こえそうな声で怒鳴られたこともあった だからあの月が出たら死ぬと勝手に思い込んでいた
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