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眩しい。
ベッドから体を起こして目覚まし時計を見る。
ああ、また学校に行くだけの平凡な日々が始まったのか。
一年間お世話になっている、少し汚れた制服を慣れた手つきで着用する。
鏡を見て、頭髪チェック。
うん。おかしくないな。
一階に降りる。
母さんが泣いている。また父さんとケンカしたのか。
朝食は……いいか。不思議と腹も減っていない。昼飯は……食堂で済ませばなんとかなるさ。
泣いている母さんが居る、入りにくい居間を通り過ぎて玄関。
ボロボロの靴を履く。
「行って来ます」
返事は、ない。
うん。いつものことだ。
両親とはそこまで仲良くもなく、かといって育ててくれているという感謝を忘れているということではない。
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