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稜介が出ていったことで、静けさに包まれた部屋に二人はまだいた。
「稜介……行ってしまったのぉ」
「そうですね」
「ッたく、ばっちゃんが余計なことするからじゃ」
「ごめんなさいね。でも、結局は稜介をいかすきでいたんでしょ?」
「気づいておったのか」
「フフッ。何年あなたの妻をやってると思っているのですか?」
じっちゃんは小さくため息をつき、こう言った。
「何年たっても、ばっちゃんにはかなわんのぉ」
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