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(止まれだと? 今この状況で俺に止まれだと?)
稜介は自分自身に向けて放つように、強く思う。
(止まれるわけねぇだろうがッ!! 俺の大切なものが全て消えかけてるってに、こんな所でじっとしてられねぇよ!!)
ペダルをこいでいる脚に、より一層力が入る。
軍人は勢いがなくなるどころか速くなっている自転車を目にして、大声で叫ぶ。
「そこの自転車止まれ!! ここから先は通行止めだ!! 命の保証はないんだぞッ!! 撃たれて死にたいのかッ!!」
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