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「はぁ…はぁ…はぁ…」
稜介は一定のテンポで息切れを起こしている。
叫びすぎたせいで、酸素が体から一気に減っていた。
(これから……どうすっかなぁ)
軍人の命令を無視して通行止めを無理矢理突破したのだ。
ごめんなさい、で済むはずがない。
(あーあ、絶対追ってくるだろうなぁ。とりあえず家まであと少しだし、裏道とか通りながら行きますかな)
軍人を撒けるとは思わないが、攪乱することは可能だろうと稜介は思っていた。
ここは稜介の地元で、ありとあらゆる道を知っているし、道のない道も知っている。
家まであと五分もあれば着くし、それくらいは逃げ切れるだろう。
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