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「ニュースで聞いて、確認をしようと決めた時から、多少覚悟は決めてたんだけどさ」
稜介は空に投げるように、誰でもない者に喋りかける。
「目の前にすると、決心とか覚悟とか、糞くらえとか思っちまうよ。
現実を真実として受け入れなければならなくて、でも否定したくて、でも否定できなくてさ。
なんなんだろうなこれ。
死ぬほど悲しいはずなのに、涙が出ない。
感情があの瞬間、死んじゃったのかな」
稜介はゆっくりと続ける。
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