4684人が本棚に入れています
本棚に追加
そして稜介はゆっくりと瞼を開ける。
そしてヘリコプターの窓から、自分の町、菰野町を眺める。
「俺の町って、こんなにも……小さかったんだな」
稜介はそういって、より深く瞳を閉じた。
ヘリコプターから見た菰野町は、なにもなかった。
朝のニュースでは『菰野町の地面以外の物全てが消滅』と言っていた。
まさしくその通りだった。
普通に住んでいても気づかない町と町の境界線。
その境界線をきれいに沿って、菰野町だけが消滅していた。
最初のコメントを投稿しよう!