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止まった時
過ぎた日々は戻らない いくら時計を巻き戻しても
全てが嫌になっても どんなに泥沼にはまっても
私はまた体を凍らせて 足を止める
日を眺め 心の時を戻す
あの日に思いを寄せる まだ答えはでない
思い出にひたって 過去ばかり追いかけても
あの人はもう傍にいない
戻ってこない
人に愛されたいのなら人を愛しなさい
人を愛したいのなら自分を愛しなさい
あの人は言っていた
自分は人を愛す資格は無い
そう言って消えた
夕暮れに染まる日 過ぎた日々を数える
愛を数えても 何も始まらない
時が過ぎて 回る歯車はもう加速だけする
何度も夢にみる 止まった日の続き
夢ばかりに思いを寄せる けれど何も得ない
気付いたら虚しいだけ あの人はいない
寂しさが募るだけ
あの日を戻して欲しい
寂しい時には優しく抱きしめてくれた
愛しているよと囁いてくれた
あの人は私の弱みを全て知っている
もう少し待ってそう言った
でももう少しは何年後?
時は過ぎ、やがていく年を超え
またあの人を思い出す
あの人しかいない 私の心には
思い出だけが胸をかきむしる
部屋のベルが鳴る 優しい音
開けたくなくて蹲っていたら 誰かが抱きしめた
薔薇の香り 懐かしい匂い
あの人でした
遅くなったと囁く 謝りの変わりのキス
それだけでもう許せた もういいのそう聞いた
彼は優しく笑って もう大丈夫 自分を愛せるよ
だから俺の傍から離れないでくれ
もう離さない 悪かった
あの日の途中 漸く私の時間は動き出す
自分を愛せなかったのは私の方かもしれない
そう気付いたのは彼が抱きしめてくれた瞬間
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