太古からの伝言~アローカリア~

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地球上に植物が初めて根を張るようになり、およそ5億年。 長い歴史の中で植物は、どの時代においても重要な役割を果たしていました。 地球で初めに生まれた生物にとって、今となっては普通に存在する様々な自然物質が命を脅かす障害となっていました。 まず太陽光。 生命を作用する重要な役割をもつDNAの構造を破壊し、あの明るさで生命を痛めつけました。 次に酸素。 原初の生物は、現代の生物には有毒な気体『硫化水素』を利用して生きていました。 その頃の生物にとって、有毒な気体といえば、今私たちが利用する『酸素』でした。 上記ような要因から、当時、地上に生物は存在していなかったのです。 そんな中、生物界を揺るがす大事件が起きます。 『植物』という生命の誕生です。 植物は、今まで自分たちの命を脅かす太陽光を逆に利用して養分を作り出し、他の生物に有害な酸素を放出するという、当時の生物にとって、生き地獄のような環境を作り上げてしまったのです。 私達の先祖であった原初の生命は、数少ない選択肢の中から生き方を選ばなければならなくなり、その中に酸素という物質を利用する方法を選んだものがいました。 それが今の数多くの生物の先祖となった生命だったのです。 このことから、植物が誕生する事で我々は進化することができた、といえると思います。 さて、そんな植物の歴史の中で、数々の苦難の中生き延びた種類、もしくは形をあまり変えず『生きた化石』と称される種類が今もなお現存しています。 前振りがとてつもなく長くなってしまいましたが、今回紹介する『アローカリア』も、そんな植物の歴史の中生き残り、現代でも形を変化させることなく生き抜いている植物の一つです。 見た目はスギかヒノキのよう。 実際、スギやヒノキと同じ針葉樹という分類に入る樹木であり、針葉樹自体も植物の中では原始的な仲間なのです。 話によると、恐竜が栄えた時代、2億年前に生えていた植物と姿があまり変わっていない、とのこと。 確かに見慣れてみると、どことなく、恐竜のようなオーラを発しています。 写真は、岐阜県可児市にある『花フェスタ記念公園』内にある温室の中で育てられていた10m近くのものを撮ったものです。 大きさは伝わらないと思いますが(苦笑)。image=394006887.jpg
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