第一話

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その場所に着いてみれば料理長のローザが慌ただしく扉の前を右往左往していた。 なにやら困った様子だった。 「遅い…時間の二時はとっくに過ぎているのに…」 「ローザ様とりあえず落ち着いてください」 「これが落ち着いていられるはずがないだろ!」 「ですが…」 「全く…今日来る二人は子供だって聞かされてるんだよ」 「子供って…」 「だから何かあったら私ら、いやアーサー様の責任になっちまうんだよ」 ちょっと待てよ、俺の責任って…。 小さく呟く。 新しい使用人、しかも子供…。 驚かされることばかり次々に起こる。 「ちょっと外を見てくるよ」 そのままローザは他の使用人の止めを遮って外に飛び出していった。 それに見つからないように俺もついて行った。
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