~つきまとう女~①

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俺のバイクは燃費が悪く、 満タンで160kmしか走らない。 日程は3日間。 夜も走らないと間に合わない。 だが、俺は頭の悪いことにガソリン携行缶を装備していなかった。 更に4日後には会社が始まる ギリギリの日程。 間に合うはずが無い。 俺はその事に半周した時点で 気付いたのだ。 俺は考えた。 一周を諦めて、道央を突っ切り、 函館からフェリーに乗って 陸路で帰るか。 それとも意地で爆走し、 小樽まで帰還して一周を やりきるか。 悩んだ挙句、 俺は一周することを決めた。 「諦めたら、そこで試合終了ですよ」 敬愛する安西先生がそう囁いたのだ。
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