罪と咎の果てに

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二回……、僕の目の前で人が死んだ。   ひとつは、母の自殺。   もうひとつは、僕が殺した親友だ。   それは、僕が小学五年生になった頃のちょうど今の時期。 終業式の日だった。 僕は、もらったばかりの通知表を片手に、足早に学校を出た。   早く母に見せたくて…誉めてほしくて…。   その頃の母は『病気』にかかっていたのだが、幼い僕には『病気』を理解することはできなかった。もう、病名すら思い出せない。  母は体調の悪さからよくヒステリックを起こしていた。   それを見ては、自分の成績や態度が母を変えたのだと、幼心に解釈してしまっていた。
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