84人が本棚に入れています
本棚に追加
今、会長…
――「俺に、キスして?」
って言いました…?
「へっ?」
思わずすっとんきょうな声が出てしまった。
でででも今キスしてって…?
えっ?え?
「聞こえなかった?俺にキスしてって言ったの。」
聞き間違えじゃない…!?
「ぇええええ!?」
き、ききき、ききキス!!?
「ほらはやく」
と唇を差し出すように近づける会長。
わ、私が会長にきっキス!?
それを許してもらうために
言うことを聞くのにキス!?
あ、あれ…
なんかもう何がなんだか…
でも目の前で唇を差し出す会長を無視することは許されなくて…。
眼鏡越しの会長の綺麗な瞳がまっすぐ私を見つめてる。
“はやく”と訴えられていて…
ゴクッ
思わず息をのんでしまう。
で、でもでも…!
私が会長にキスするなんて…!
と同じようなことをぐるぐる考えはじめると
「ふう。じゃあわかった…」
「へっ…?」
わかったってなにが…と同時に私の視界が揺れた。
ぐいっ
「んっ…!」
唇に覚えのある温かくやさしい感触。
!き、キス!?
静寂につつまれた保健室に
ちゅ…っ という音が響いた。
「な、ななな!?」
もう頭が追いつかな…っ
「ほら、はやく」
パニックな私に響いたのはさっきまでとは違う体を、頭を、痺れさせるような甘い会長の声だった。
ドクン…
最初のコメントを投稿しよう!