5人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
少し肌寒い春の風が萌の頬に当たる。萌が座っている駅のベンチは、通勤ラッシュなのか、多くの人が行き来をしている。萌は、久しぶりに友達と出掛けるようで、はりきって早く来たのが間違えかもしれない。
「遅いなぁ」
肌白にまとう服は思いきって買ったスカート。
16歳にして150cmは周りから見て、小柄で細身。
肩まで伸びている茶髪は毛先がくるっとなっている。
目は大きく、鼻や口は小さい。そんな萌がふと小さな肩を落としていると、遠くで萌の名を呼ぶ声が聞こえる。
最初のコメントを投稿しよう!