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オワリノカタチ
気付いた時には、
世界は滅んでいた。
僕の目に映るのは、
空っぽになった街と、
色を失った空だけだった。
背後からは、歯車の塊が
動く音が聞こえてくる。
それは、まるで、
悲しんでいる声の様に聞こえて。
でも、それは、
心が休まるような響きも、
同時に含んでいて。
どうしてだろうか、
僕の心は、
劣化したプラスチックのように、端の方から崩れていった。
いつしか、音か消え失せた。
あとには、
僕の心の破片らしきものが、
曝し物になっていた。
僕はそれを、
靴底で、
踏みつけた。
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