出逢い

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出逢い

この世界は、 出逢いから出来ている― そうは、思えないだろうか。 例えば。 人の輪は、 出逢いから始まるものだ。 そして、 新たな出逢いによって、 それを広げていく。 世界には、 出逢いが溢れている。 例えば。 今日、 道端ですれ違った人。 会話などない。 しかし、これもまた、 出逢いのカタチであろう。 人は、 出逢いを求める。 例えば。 肩を抱き寄せる、 愛する人。 出逢いがなければ、 愛なんて感情は 知り得なかった。 ―僕は一体、 どれだけの出逢いを 繰り返してきたのだろう― 出逢いが生んだモノ、 それは大きく、大き過ぎて。 抱えきるには、 少し大きく なり過ぎてしまった。 また、 新たな出逢いを得るには、 …古い出逢いを、 手放さなくてはならなかった。 出逢いは、 つまり別れであった。
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