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津久田が私の視線を追って振り返る。 「誰かいた?」 「…3階って、3年生だっけ」 「そのはずだけど。なんで?」 「秘密」 ポケットに栞があることを確認して、津久田と別れた。 彼女の情報が増えたことに、微かな達成感を覚える。 明日はちゃんと返そう。 今日の授業は集中できた。 *** 翌日の昼休み、やっぱり彼女は図書室にいた。 昨日と同じ席で昨日と同じ本を広げ、パラパラとページをめくっていた。 昨日読んだページを探しているのかもしれない。 「先輩」 私が声をかけると、彼女は顔を上げた。 眼鏡の奥の瞳がみるみる丸くなっていく。 「…私…ですか?」
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