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翌日の昼休み、私は図書室を訪れた。
昨日拾った栞を持って。
重い図書室のドアを押し開けると、中はしんと静まり返っていた。
時々、ページをめくる紙の擦れる音がする。
ドアの近くの席には誰もいなかった。
更に奥に進むと、本を読む生徒の姿が疎らだが確認できた。
その中に、彼女はいた。
窓際の席にひっそりと、灰色の重たい光を背負って。
膝に置いた分厚い本に両手を添えて、たまに眼鏡を指で押し上げる。
周りは話をしたり、クスクス笑いあったりしている中で、彼女だけ異彩を放っていた。
まっすぐ伸ばされた背筋が綺麗で、ずっと見ていたいと思う。
丁寧に結われた三編みが、冷房の風に揺れていた。
手の中で紙が歪む音がして我に返る。
栞は私の手中で折れてしまっていた。
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