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私は足首を骨折した。
運悪く、利き足の右、しかも複雑な骨折だった。
先輩にも、先輩の両親にも謝られた。
悔しかったけれど、私はできるだけ平気なふりをした。
笑顔でリハビリに向かう度、津久田は辛そうに私を見ていた。
「無理して笑うくらいなら、いっそ笑わないほうがいい」
そう言われて、私はやっと泣いた。
本当に津久田が好きだった。
背が高いのも、低くてくすぐったい声も、切れ長の奥二重も。
津久田が私を励ましてくれたおかげで、リハビリは頑張れた。
先生も驚く程の速さで回復して、学校に復帰した。
友達は皆、必死に先輩を非難してくれた。
それが嬉しくて、また泣いた。
陸上部にもすぐ復帰した。
でも何度行っても、見学しかさせてもらえなかった。
エースをやらせてもらっていたのに。
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