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「止めなよ、オヅケン。未紗ちゃん、困ってるじゃん」
「オヅケン」と呼ばれた彼は、同期と思われる男の人にそう言われて小突かれたけど、全然悪びれる様子はなかった。
「いやー、だって、こんな丸々と太って甘そうなブドウ、絶対すごい酵母が…って、そうだ!」
イタズラを思いついた時の子どものような目をして、私を見つめる彼。
ちょ…。今度は何を言い出すつもり?
彼の、男の割にはみずみずしい唇が、きれいな弧を描く。
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