サンゴと褐虫藻

colony1.ブドウと酵母

頭の中が混乱してフリーズしている私のことなんかお構いなしに、彼は尚も爽やかに微笑みながら、無造作に前髪をかき分けた。

その時、私はふと、垣間見てしまった。

彼の、あまりにも純粋で、無垢で、清らかな、深青色の瞳を。

そんな彼の瞳に、私は宇宙にも似たような、強烈な引力を感じ取ってしまった。

その引力に導かれるがままに、黙って首を縦に振ってしまう私。